大宮駅西口より徒歩2分。そごう大宮店13階の美容室 air-OMIYA スタイリストの竹内です。
今回はちらほらと耳にする『グレイカラー』について解説していきたいと思います。
グレイカラーと聞くと「え…灰色になるの…?」って思ってしまいそうですよね。
それにサロンによって様々なメニュー名を付けているので、いまいちわからないですよね。
そこで今回は、グレイカラーが一体何なのか詳しくご説明していきますので、最後までお付き合い下さい!
では早速ですがグレイカラーを理解する為に、少しカラー剤についてお話ししたいと思います。
Contents
①グレイカラーの前に、カラー剤の種類を理解しましょう
ここではカラー剤の種類について説明させていただきます。
まずはカラーをされている人なら1度はお世話になっているであろうファッションカラーです。
ファッションカラーとは
ファッションカラーは俗にお洒落染めとも呼ばれるカラー剤です。
ファッションカラーはアルカリカラーという分類で、1剤と2剤を混ぜ合わせる事で反応が起こります。
この反応により髪のキューティクルを開き、髪の内部に浸透し髪を脱色しながら発色させていきます。
このアルカリカラーという分類はサロンでの使用頻度も1番です。髪を明るく脱色しながら色味を入れている方はこのアルカリカラーで染めているという事になります。
こちらはファッションカラーの色味見本になります。見ての通り透明感のある鮮やかな色味を得意とするのがファッションカラーですね。
昨今のお客様からのオーダーで聞かない日はないんじゃないかという『グレージュ』系のカラーもこのファッションカラーで施術します。
そしてこのファッションカラーと対になるカラーがグレイカラーです。
②グレイカラーとは
はい、ではいよいよ皆様お待ちかねの『グレイカラー』の登場です。
いきなり答えを言いますと、グレイカラーとは実は『白髪染め』のことなんです!
こちらがグレイカラーの色見本です。
グレイカラーもファッションカラー同様にアルカリカラーです。髪を明るくしながら染めていきます。
ではグレイカラーとファッションカラーは何が違うのでしょうか。
ファッションカラーとの違い
ファッションカラーは透明感のある鮮やかな色味が得意と先ほどご説明しましが、白髪は染まりません。
それは色味優先のためにブラウンがほとんど入っていないからです。
白髪に薄く色は付きますが、とてもカバーできているとは言えない仕上がりです。
逆にグレイカラーは白髪を染める為に沢山のブラウンが配合されています。
その為に鮮やかな発色は苦手で、基本的にはブラウンベースのナチュラルな色味が得意です。
ひと昔前の白髪染めのイメージだと
- 不自然に暗い色になりそう…
- お洒落な色にはならなそう…
- 赤っぽく染まるんじゃ…
などのイメージがあるかと思いますが、最近の白髪染めはそんな事ないんです。
白髪を染めつつ豊富な色味を楽しめるようになりましたし、明るくできるようにもなりました。
いかがでしょうか?
グレイカラーの方がブラウンベースである事がお分かりいただけるでしょうか?
やはり鮮やかさではファッションカラーに分がありますが、ファッションカラーと遜色ないカラーバリエーションがありますし、そんなに鮮やかな色味を求めていないという方であればグレイカラーで全体を染めても問題ありません。
まとめると
ファッションカラー→鮮やかな色味が得意。白髪は染まらない。
グレイカラー→鮮やかな発色は少し苦手。白髪が染まる。
と理解していただけるといいと思います!
次にグレイカラーのメリット、デメリットを見ていきましょう。
グレイカラーのメリット
- 1度のカラーで白髪をしっかりと染める事ができる。
- 色持ちが良い。
グレイカラーは1度のカラーで憎き白髪を一掃します。そしてファッションカラーよりも色持ちは良いと言えます。
グレイカラーのデメリット
- ファッションカラーの様な鮮やかでクリアな発色は苦手。
- 色持ちが良いので、頻繁にカラーの色を変えたいという方にはデメリットになる場合が。特に暗めの白髪染めをされている場合は、その後髪を明るくする事は困難です。
- 髪や頭皮に負担がかかる。これはアルカリカラー全般にいえる事ですが、薬剤を使うという事は当然ダメージします。加えてジアミンによるアレルギー反応がまれに起こる危険性もあります。
はい、色持ちが良いのはメリットでもありデメリットにもなり得るという事ですね。
③グレイカラーとうまく付き合っていく為のポイント
グレイカラーのメリット、デメリットをご説明しましたが実際にグレイカラーをする際に何に気を付ければ良いのか解説します。
美容師としてこれだけは守っていただきたいのは『サロンで染める』です!
「どうしても時間が無い!」や「白髪が多くなって頻度が上がりコストがばかにならない」などあると思いますが、個人的にはセルフのファッションカラーよりもセルフのグレイカラーの方が危険だと思います。
グレイカラーはあの真っ白な白髪を染める事ができるカラー剤であるが故に、セルフで思ったよりも暗い仕上がりになってしまった場合やムラになってしまった場合、『本当に取り返しがつきません‼︎』
これはサロンで染める場合も大切で、今後の予定なども含め暗くするのか明るめで染めるのかを担当の美容師さんと相談して決めましょう。
またセルフの場合、髪や頭皮へのダメージも懸念すべき点です。サロンでは髪の状態に合わせて薬剤選定や塗布の仕方を決定します。
さらにカラー前、カラー後の頭皮へのケアも同時に行っています。
しかしセルフではこういった事は困難ですよね。
ご新規で担当させていただく方の中には、セルフカラーを頻繁に繰り返す事で髪色が暗く沈み、深刻なダメージを受けている方もいらっしゃいます。
この様な状態ではこちらからご提案できるスタイルも限られてしまいます。
白髪染めとは長い付き合いになります。
末長くカラーリングを楽しんでいただく為にも、是非我々プロにお任せ下さい。
④グレイカラーおすすめの染め方
では僕的おすすめのグレイカラーをご提案します。
根元は『グレイカラー』毛先はファッションカラー
こちらの染め方は僕がサロンワークでよく使う方法なのですが、白髪の気になる根元はグレイカラーでカバーし鮮やかな発色が欲しい毛先はファッションカラーで対応するという方法です。
根元と毛先を違う薬で染めてムラになるのでは?と思われるかもしれませんが、そこはプロにお任せ下さい。綺麗に馴染ませる事ができます。
それにこの染め方は、普段ファッションカラーで染めているけど生え始めた白髪が気になっているという方もあまり抵抗なく移行できるのでおすすめです。根元の白髪はカバーしつつ、毛先はいつものファッションカラーで染める事ができますからね。
『グレイカラー』とファッションカラーをミックスする
グレイカラーも昔に比べ色味も豊富になってきましたが、やはり色味の発色がもう少し出ればな…というシーンがよくあります。
そこでおすすめがグレイカラーとファッションカラーをミックスして染めるという方法です。
こちらの方法ですとグレイカラー単品で染めるよりも色味をしっかり出す事ができます。
白髪がどれだけあるかにもよりますが8〜9レベルであれば問題なく白髪は染まります。それ以上の10〜12レベルになってくると白髪をしっかり染めるというよりは、白髪以外の毛を明るくし白髪には淡く色を付ける事でぼかすというイメージになってきます。厳密にいうと白髪の部分とそうでない部分で差は多少ありますが問題なく染まりますよ。
グレイカラーとファッションカラーのミックスの比率はご希望の色味や白髪の量、髪質によって変わってきますので、実際に状態を見させていただいてからご相談となります。
ハイライトを取り入れる
こちらはあらかじめハイライト入れ、明るい部分を作った上でカラーをするという方法ですね。
ハイライトと聞くとなんだか派手なイメージかもしれませんが、入れる細さや量によりコントロールできます。
このカラーの利点は白髪に近い色のハイライトが入っている事で、上から明るいカラーを被せた場合は白髪が馴染みますし、割と暗めの白髪染めを乗せた場合は明るいハイライトのお陰で暗くなりすぎずに白髪をしっかり染めれるという利点があります。
⑤まとめ
はい、今回はグレイカラーについて解説しました。
白髪染めだと聞くと「なんだかなぁ…」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、上記でご説明した様に白髪染めのカラー剤自体も進化していますし、より白髪染めを楽しんでいただける様に我々美容師も日々研究しています。
何ならファッションカラーよりも長い期間お世話になるであろう『グレイカラー』
正しく理解をして、楽しみながら白髪と付き合っていきましょう。
きっと貴方に合った素敵なデザインがあるはずです。
では。