大宮駅西口より徒歩2分。そごう大宮店13階の美容室【air-OMIYA】で美容師をしています竹内です。
はい、今回はこちら!
『白髪を抜く』
この行為について解説します。
この記事に辿りついた方はさぞやチラチラと悪目立ちする白髪にお悩みの事でしょう。気になる…抜いてしまいたい…でも、抜いて大丈夫なの?
そんなお悩みや疑問を解決すべく筆を取らせていただいた訳ですが、この『白髪を抜く』って結構色々な都市伝説的な話がありません?
いまいちどれが正しいのか釈然としない方が多いと思いますので、こちらの記事で正しい知識を得ていただきたいと思います。
是非最後までお付き合い下さい。
では早速ですが、真相解明していきましょう!
Contents
①白髪は抜いても問題ないのか⁇
もういきなり答えを言っちゃいます!
白髪を抜くのは『絶対ダメです‼︎』
この後詳しく解説していきますが、なんのメリットもありません。
なんならデメリットしかないです。
では、なぜ抜いてはいけないのかを解説する前にそもそもなぜ白髪になってしまうかを見ていきましょう。
②なぜ白髪になってしまうのか
出典:DEMI
これはあまり知られていない事かも知れませんが、実は毛根で生まれたばかりの髪には色は付いていません。要するに白髪という事ですね。
我々の髪の色はメラニンで決まります。肌の色もこのメラニンで決まりますよね。
髪は成長する過程でメラニンを作るメラノサイトからメラニンを受け取り、黒髪となり毛穴から押し出されるように生えてきます。メラノサイトとはメラニンを作る工場の様なイメージです。
白髪になってしまうという事は何らかの原因でこのサイクルが乱れ、メラニンが作られなくなってしまったか、メラニンは作られていてもうまく髪に供給されずに髪に色を付ける事ができない状態といえます。
メラニンがうまく髪に供給されない理由は様々ですが、一番わかりやすい例は加齢だと思います。
悲しい現実ですが加齢によりメラノサイトの働きが悪くなり、白髪になってしまった毛穴から生えてくる髪は白髪です!
はい、その毛穴からはずっと白髪が生えてきます。
という事は加齢により白髪になってしまった髪をいくら抜いても、白髪が減るという事にはならないという事です。
よく都市伝説的に言われる『白髪を抜くと、白髪が増える』というのはこういった事が背景にあるのではないかと思います。
白髪は抜いても増えもしなければ、減りもしない
基本的にはこの解釈でいいと思います。
白髪を抜くと増える可能もある…
いやさっき増えないって言ったじゃん⁉︎はい、言いました。基本的には増えないと思います…
長らく美容業界でもそういう認識であったと思います。
しかし実はそれを覆す新説が浮上中なのです‼︎
出典:DEMI
この新説の鍵となるのがバルジ領域と呼ばれる場所です。
脱毛の業界ではよく聞く言葉だと思いますが、実はこのバルジ領域に毛母細胞やメラノサイトを生み出す幹細胞が存在している事が近年の研究により発見されたんですね。
髪は毛周期というサイクルの中で自然と抜け落ち、新しく生え変わっていきます。
しかし白髪を抜くという行為は、本来抜ける時期にない髪を無理やり抜くという事になります。
白髪を無理に抜く事でバルジ領域を傷つけてしまうとメラノサイトを作る幹細胞が作られなくなり、白髪になってしまう可能性があるという事です!
これちょっと怖いですよね…白髪を抜くと増えるが現実味を帯びてきました。
通常毛穴からは2〜3本の髪が生えているのですが、今までの考え方だとその中で白髪になってしまった1本を抜いてもメラノサイトは髪の毛1本1本にそれぞれ独立して存在するので、同じ毛穴に生える他の髪の毛には影響はないとされていました。
しかしバルジ領域は1つの毛穴に1つしかないんです!
という事は、何らかの原因でバルジ領域で幹細胞が作られなくなるとその毛穴から生える毛が全て白髪になってしまう可能性があるという事です。
バルジ領域はまだ研究段階であり、さらに研究が進めばもっとはっきりとした事がわかるはずです!
とりあえず白髪を抜く気は失せますよね…
③白髪を抜くとどんなデメリットがあるのか
はい、まず上記で説明したようにバルジ領域を傷つけ白髪が増える可能性がある。
そして髪にはヘアサイクルという成長周期があります。
通常髪は2年〜6年で【成長期】→【退行期】→【休止期】というサイクルを経て自然に抜け落ちていきます。
ちなみに頭皮に生えている髪のほとんどは成長期にあり、日々伸び続けています。
しかし白髪を無理に抜くという行為は、正常なヘアサイクルを乱し最悪の場合その毛穴から髪が生えてこないなんて事になりかねません。
さらに言うと、先ほど紹介したバルジ領域ですが本来着目されたのは脱毛の分野です。
実はバルジ領域で作られた幹細胞は色素幹細胞(メラノサイト)になるものと、髪の毛を生み出す上で重要な毛母細胞になるものとがあります。
故に脱毛の分野では今までの様に直接毛根にアプローチしていたところを、発毛の根幹を司るバルジ領域にアプローチをした方が効率的ではないかという理由で注目されているのです。
という事は白髪を無理に抜く事でバルジ領域を傷つけてしまい、幹細胞が作れないとなると白髪になってしまうどころか髪が生えてこないという事にもなりかねない恐ろしい行為なのです。
また、無理に毛を抜いてしまった毛穴は変形してしまう事があり、次に生えてくる髪が癖毛になる可能性もあります。
無理に抜く事で毛穴を傷つけ炎症を起こす事もあります。
④白髪抜く以外の対処法とは
皆さん白髪を抜く事のデメリットをご理解いただけたでしょうか?
結構怖い事ばかりでしたよね…
では白髪を抜く以外の対処法はないのでしょうか。
白髪をカットする
1番単純な方法ですね。ポイントはなるべく根元からカットするという事でしょうか。
こちらの方法は頭皮や毛根に負担がかかる事もありませんし、手っ取り早く白髪を取り除く事ができます。まだ白髪があまり多くない方にはおすすめですね。
ただある程度の白髪がある場合は、短い白髪だらけの頭になってしまいますので注意が必要です。自分で管理できる範疇を超えてきたら、白髪染めを検討することをおすすめします。
サロンでカラーリングする
はい、美容師としてはこちらが1番おすすめですよね。
間違いなくしっかりと染まりますし、同時にヘアケアや頭皮ケアも行います。
では白髪を染める事のできるカラーとはどのような物があるのでしょうか。
カラーをされていない方の場合
白髪が気になるけど、現状カラーはしていなくて黒髪という方におすすめできるのがヘアマニキュアです。
ヘアマニキュアを簡単に説明すると、
- 髪を明るくする力はない
- 白髪にしか色が付いて見えない
- 主に髪の外側をコーティングする様に染まる為、色落ちが少し早い
- ダメージがほとんどない
- アレルギーを起こしにくい
へアマニキュアは髪を明るくする事はできませんが、白髪を染める事は可能です。白髪は染めたいけど髪を明るくしたいわけではないという場合に登場する頻度が高いです。
また髪をコーティングするように染まりますので、艶が出ますしハリコシが出ます。
髪の内部の構造を変えるようなカラー剤ではないので、ダメージもほとんどないのも嬉しいですよね。
ただヘアマニキュアは頭皮に付けて塗布できないので、0ミリから染める事はできませんし、少し色落ちは早いですね。
カラーをされている方の場合
ここでいうカラーは明るくなるカラーをされている方と想定します。
髪を明るくしながら色を付けていくカラー剤のことをアルカリカラーといいます。いわゆるファッションカラーやお洒落染や白髪染めと呼ばれ、サロンワークでの登場頻度は1番です。
アルカリカラー の特徴を簡単に説明すると
- 髪を明るくする力があり、全体を同じ色に染める事ができる
- 髪の内部で発色する為色持ちが良い
- ダメージがある。
- アレルギーを起こす可能性がある
アルカリカラー はカラー剤の基本と言えるカラー剤です。
普段ほとんどの方が染めているカラー剤がこれになります。
ちなみにファッションカラーと白髪染めの染まる仕組みは同じです。
ファッションカラーと白髪染めの違いは…
ファッションカラー→鮮やかな発色。白髪は染まらない。
白髪染め→白髪を染める為にブラウンが沢山配合されている。鮮やかな発色は苦手。
と言った感じです。
白髪染めと聞くとなんだかネガティブなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、実際はそんな事はありません。
最近の白髪染めは明るく白髪を染める事ができますし、色味も豊富になってきました。もちろんファッションカラーの方が鮮やかですが。
そこで、まだ白髪もそんなに多くないという場合はいきなり白髪染めに移行する必要はないと思います。
普段のファッションカラーに少し白髪染めを混ぜる事で白髪をぼかす事もできますし、白髪の気になる根元は白髪染め、鮮やかな色を楽しみたい毛先はファッションカラーといった具合に塗り分ける事も可能です。
セルフで染める
これはあまりおすすめできる方法ではありませんが一応。
基本的にドラッグストアで購入できるカラー剤とサロンのカラー剤は染まる仕組みは同じです。
しかしドラッグストアで購入できる市販のカラー剤の方が薬剤のパワーが強い傾向にあります。
それは商品として様々な髪質に対応しなければならないからです。
つまり染まりづらい髪質の方に寄せて設計されている物が多いという事ですね。
ですので1度なら大丈夫だろうと安易にセルフで染めた結果、髪がギシギシに傷んだしまうということも。
この様な理由からおすすめはしませんが、どうしてもやるしかないという時は最低限こちらに注意して行って下さい。
- 自分の現状の髪色にあった明るさを選ぶ
- 根元にしか塗らない
- 用法容量を守る。特に放置時間は厳守
はい、これは絶対に守った方が良いですよ。
市販の白髪染めで思ったよりも暗くなった時は悲惨ですからね。サロンでも元に戻す事は基本的には不可能です。
さらにただでさえパワーが強いので、既にカラーの履歴がある毛先には塗らないようにして下さい。危険です。
また、意外と多いのがセルフ染めの放置時間中に何かに夢中になって1時間位時間を置いてしまった…という。
カラー剤は1剤と2剤を混ぜて使用しますが、混ぜてから30分程で薬の反応は終わります。反応が終わったカラー剤を無駄に髪の乗せていても、それ以上染まらないどころかただただ髪を傷ませることしかありません。
⑤まとめ
はい、今回は白髪は抜いて良いのかどうかというお話をさせていただきました。
皆さんもうお分かりの通り、『白髪は決して抜いてはいけません』
抜いた一瞬はスッキリするかもしれませんが、実際のところメリットはなくデメリットばかりです。
ご紹介した対処法の中から、自分にあったものを選んでいただければと思います。
白髪は平均的に35歳頃から生え始める方が多く、年齢を重ねるごとに徐々に増えてきます。
ある程度まとまった量になってくると、カラーリングで対処する方がほとんどだと思います。その際は是非我々プロにお任せ下さい。
お客様1人1人の状態に合わせて、様々なご提案をさせていただきます。
『これ白髪染めなの?』と感じるようなファッションカラーと遜色ないような施術も可能ですのでご相談ください。
では。